
課題・施策・結果
課題
- 展示会でのヒアリングを紙で運用していたため、データ入力の負担や紛失、文字の判読不能といった問題が生じ、貴重な「顧客の声」が営業に届いていなかった
- 顧客情報がデータとして可視化・共有されていないことから、最適なフォローができていなかった
施策
- 展示会でのヒアリング運用をAsk Oneに移行。顧客情報とヒアリング内容を即時データ化し、Salesforceにリアルタイム連携
- 展示会起点の顧客情報をデータとして可視化・共有し、客観的なリード評価や詳細なKPI管理ができる体制を構築
結果
- リアルタイムでデータ化し、Salesforceに連携させる仕組みにより、顧客の興味関心を軸とした迅速なアプローチが可能に
- 展示会後にデータに基づいた最適なフォローができる体制が構築され、商談獲得率が約3倍に向上
パナソニック コネクト株式会社は、国内外の拠点でお客様の現場課題に向き合う多様な事業を展開しています。
同社の現場ソリューションカンパニーでは、展示会での新規リード獲得や営業活動の効率化をさらに推進するため、顧客接点情報の収集・可視化・活用を支えるツールとしてAsk Oneを導入しました。現在は、展示会での即時データ化やSalesforceとの連携を通じて、マーケティングと営業が共通のデータをもとに連携できる体制を実現しています。
本事例では、現場ソリューションカンパニー センシング事業センター シニアマーケティングエキスパートの小林様に、Ask Oneの導入背景や具体的な活用方法、得られた成果についてお話を伺いました。

写真:小林様
※以下、敬称略
展示会リードの即時データ化や柔軟な連携機能が導入の決め手に
Q:貴社の事業内容、担当部署、ご担当業務について教えてください。
小林:現場ソリューションカンパニーは、パナソニック コネクト株式会社においてお客様の最前線で経営課題や現場の課題に向き合う中核となる事業組織で、国内約60拠点、従業員数約4,000人が在籍しています。
業界や事業により異なる4つの本部とサービスプラットフォーム事業において、各種プロダクトやサービス、アプリケーションを提供し、導入から運営、保守までトータルサポートを行っております。
私が所属するセンシング事業センターは、現場ソリューションカンパニーの直轄組織であり、当社の強化事業である3つの事業(SCM、センシング、アウトソーシング)のうちの1つです。
私は、センシング事業のマーケティングを担当しており、アライアンス戦略やGTM(Go To Market)戦略などの検討を行っています。私たちの展示会でのミッションは、新規リード獲得数をメインに、獲得したリードをSQL(商談)へと繋げ、具体的なパイプラインを構築し、受注に繋げることにあります。
また、当社としては5年ほど前から全社を挙げて営業DXの推進に取り組んでおり、特に現場が納得感を持ってデータ活用に取り組める体制を構築することを重視しています。
Q:Ask Oneを選定、導入に至った経緯を教えてください。
小林:展示会施策において、以前は顧客接点情報がデータとして営業現場にうまく連携されていないことに強い課題感を持っていました。
Ask One導入以前は「紙のヒアリングシート」を活用していましたが、現場でのデータ入力の負担が大きく、字が読めない、あるいは紛失するといった課題がありました。結果として、せっかくの「お客様の声」が共有されず、現場に届かないことで商談の機会損失を招いていました。展示会などのオフラインイベントから得た顧客情報のデジタル化やSFA連携ができるサービスの検討を開始したのが導入のきっかけです。
導入にあたっては、社内のIT部門とも密に連携し、様々なツールを比較検討しました。もともと自社に展示会予約システムもありましたが、改修には莫大な開発費用がかかることが判明したため、外部サービスの活用へと舵を切りました。
その中で、Ask Oneは比較的導入ハードルが低く、当時全社的に導入が進んでいたSalesforceをはじめとする各システムとの柔軟な連携が可能であったことが決定打となりました。
顧客接点情報の収集・可視化・活用」の仕組みづくりをAsk Oneで実現
Q:現在行っているAsk Oneを活用した施策内容や目的について教えてください。
小林:主に、展示会を起点とした「顧客接点情報の収集・可視化・活用」の仕組みづくりに取り組んでいます。展示会は多くの顧客接点が生まれる一方で、成果が曖昧になりやすい領域です。そのため、単なる名刺獲得で終わらせず、次の営業アクションにつながるデータとして活用しています。
具体的には、展示会における顧客接点データの入力ツールとしてAsk Oneを活用し、来場者情報やヒアリング内容をその場でデータ化しています。あわせて、展示会後の成果を定量的に評価できるよう、新規リード数やターゲット業界の新規リード数、ヒアリングシートの獲得件数、そこから創出された商談数やパイプライン金額までをKPIとして細かく設計・管理しています。
これにより、「どの展示会で得た、どのような顧客接点が、どれだけ事業成果につながったのか」を可視化できるようになりました。
以前は、こうした顧客接点情報がデータとして蓄積・共有・活用されていないことが課題でしたが、現在はAsk Oneで収集した情報をSalesforceと連携させることで、データを単なる記録に終わらせず、営業活動に直接活かせる体制を整えています。
Q:上記実施フローなど具体的な運用の流れについて教えてください。
小林:具体的な運用の流れとしては、まず展示会の企画段階で目的から逆算し、定量評価がおこなえるKPIを設定することから始まります。次に、決定したKPI評価を正確に行うために、逆算してAsk Oneの設問設計を細かく構築しています。
実際の展示会現場では、当社の商材に関心を持っていただき、名刺交換をさせていただいたお客様のみを対象に情報入力を行っています。入力する項目は、名刺情報による属性情報だけでなく、お客様が抱えている具体的な課題、興味関心の対象、さらには細かなご要望まで多岐にわたります。
こうして現場で入力された情報をもとに、営業がフォローすべきかどうかをシステム上で判定し、その判定結果に応じてインサイドセールスや営業が迅速かつ質の高いフォローができる体制を整えています。このフローは、当社で開催する十回以上の大規模な外部展示会に加え、全国4拠点で行われる大規模な社内内覧会などでも同様に運用しています。

Q:Ask Oneで収集したデータの活用について教えてください。
小林:Ask Oneで収集したデータの活用は、大きく分けて「マーケティング」と「営業」の2つの側面で活用しています。
まずマーケティング面では、お客様の属性を細かく分析し、戦略的な施策に繋げています。名刺情報から得られる業界、業種、職種、役職といったデータを基に、「研究職の課長層なのか」「購買部門の部長層なのか」といった粒度でセグメントを切り、来場者が事前に想定していたターゲット層と合致していたかを検証しています。これにより、例えば「この属性の方々には手厚いフォローが必要だが、こちらの層にはナーチャリング(顧客育成)から始めるべき」といった判断が可能になり、効率的なマーケティング施策を打てるようになりました。
次に営業面では、ヒアリングした「顧客の声」を提案活動に直接活かしています。Ask Oneを通じてデータ化されたお客様の具体的な課題感やコメント、商材に対する要望などを事前にしっかり確認した上で、最適な商材やタイミングを判断して提案を行っています。さらに、これらの活用を支えるのが「判定の自動化」です。企画段階で営業部門と「どのような条件で引き渡すか」という基準を合意しており、それをシステム上のフローに組み込んでいます。Ask Oneが即座に判定を行い、Salesforceを通じてインサイドセールスや営業に顧客情報とヒアリング情報を即時連携し、最も鮮度の高い状態でフォローを開始できる体制を実現しています。
Ask Oneの活用によりデータに基づいた運用が可能になり、商談獲得率が約3倍向上
Q:Ask Oneの活用を通して改善した点や効果が現れた点を教えてください。
小林:Ask Oneの導入によって得られた最大の効果は、データの可視化・共有が進んだことです。これにより展示会で獲得した新規リードに対してインサイドセールスが即日フォローを行い、効果的な商談化プロセスを構築できました。以前は、展示会における顧客情報の蓄積や共有が不十分で、特に商談の進捗やパイプラインを可視化することが困難でした。しかし、現在は展示会で入力された情報がリアルタイムにSalesforceへ連携される仕組みが整っています。
このデータの可視化によって、私たちマーケティング担当者だけでなく、営業側の意識にも大きな変化が現れました。有望顧客の情報が即座に共有されることで、営業現場でのフォロー体制が劇的に強化され、より商談化へと繋げられるようになっています。
また、Ask Oneの活用に合わせて、展示会企画時のKPI設計やアプローチ方法そのものを見直したことも大きなポイントです。どのような条件で営業に引き渡すかという基準を明確にし、データに基づいた戦略的な運用を徹底した結果、導入後の商談化率が以前の約3倍に向上するという実績も出ています。単なるツールの導入に留まらず、展示会を通じた受注数をROI(投資対効果)として正しく評価できるようになったことは、非常に大きな成果だと感じています。
Q:弊社サービスについての感想がありましたら教えてください。
小林:Salesforceとの即時連携機能にとても魅力を感じています。
しかし、Salesforceとのデータ連携や設定面では知識が必要で、最初は少し苦労しました。その際、「最適な運用を提案してくれる貴社カスタマーサクセス(CS)」、「技術実装を担う社内IT担当」との三位一体の連携があったからこそAsk Oneのスムーズな運用が可能になりました。CSの方からは、運用の標準化に向けた的確なアドバイスをいただきました。社内のIT担当もそれに応え迅速かつ的確なシステム設計を実現してくれたことで、当初の課題をクリアにできました。
ツール導入にあたって、社内IT担当者と連携し、Ask Oneの導入を1つのプロジェクトとして進められた点も、非常に良かったと感じています。
また、活用を続ける中でAsk OneのUI(操作画面)が徐々に改善されてきており、格段に使いやすくなってきていると感じます。これによって活用のハードルは着実に下がってきています。
おかげさまで、社内のマーケティング担当者の間でもAsk Oneを使った活用事例や成功体験が徐々に増えてきました。ツールが使いやすくなり、かつ成功事例が見える化されることで、組織全体でデータを活用する文化が育ってきていると実感しています。

Q:弊社サービスを使って、今後使ってみたい機能や実施してみたい施策などがありましたら教えてください。
小林:今後ぜひ試してみたいのは「AIマジック」の機能です。展示会の現場では、限られた時間の中でスマホやタブレットからデータ入力を行うことに苦労する説明員も少なくありません。もし手書きのメモ(紙)を画像として取り込んだり、音声入力したデータをAIで要約したりすることができれば、現場のオペレーションがより効率化すると期待しています。
また、今後は展示会施策に留まらず、日常の営業活動における顧客接点の情報も、即時かつ簡便に記録できるユースケースでの活用を検討していきたいと考えています。現場のメンバーがより効率的にデータをインプットできる環境を整えることで、マーケティング・営業が一体となったデータ活用をさらに加速させていきたいです。
※ページ上の各種情報は2026年2月27日時点のものです。

