
課題・施策・結果
課題
- 展示会での紙アンケート運用により、名刺情報やヒアリング情報のデジタル化までに30日程度を要し、工数とタイムラグが発生していた
施策
- 展示会のヒアリングシートをデジタル化することで、回答データを即座に各種システムに(Salesforce、Adobe Marketo Engage)連携
- 名刺情報とヒアリング情報を紐付けたデータを適切な部署に連携
結果
- 顧客情報のデータ化期間は「30日」から「0日」に短縮、1,500件あたり最大50時間かかっていた作業工数も「ほぼ0時間」に削減
- 展示会会期中の即日フォローが可能となり、商談化プロセスと事業貢献を可視化
株式会社日立製作所は、IT、エネルギー、モビリティ、インダストリーなど多岐にわたる領域でイノベーションを創出し、社会インフラを支えるグローバル企業です。
同社のデジタルシステム&サービス部門では、展示会オペレーションの脱アナログ化と獲得した名刺情報の迅速なデータ化を目的としてAsk Oneをご導入いただき、工数の大幅削減やリードタイムの短縮といった大きな効果に繋がっています。
導入に至った経緯や施策での活用、成果について、デマンドジェネレーションセンターの佐藤様、中野様、本名様にお話をお伺いしました。

写真左より:佐藤様、本名様、中野様
※以下、敬称略
最大の課題は展示会ヒアリングシートの「紙」運用。情報の活用まで「30日」のタイムラグが発生
Q:貴社の事業内容、担当部署、ご担当業務について教えてください。
佐藤: 弊社は、「デジタルシステム&サービス」「エナジー」「モビリティ」「コネクティブインダストリーズ」の4つのセクターで事業を展開しています。私たちが所属するデジタルシステム&サービスセクターでは、ITソリューションの開発や提供を行っています。
デマンドジェネレーションセンターは、マーケティング施策の推進と、それを支えるデータ管理やシステム運用を担う部署です。私は第2グループに所属し、マーケティングにおけるシステム全体の設計やデータ管理と整備を担当しています。
中野:私も同じく第2グループに所属しています。主にシステム周りの実務を担当しており、インサイドセールスなどの活動を数値化するためのKPI設定や、運用ルールの策定、ガイドラインの作成などを行っています。
本名:私は第1グループに所属し、インサイドセールスと連携しながら、リードを「案件化」する役割を担っています。ABM(アカウントベースドマーケティング)アプローチや、医薬・再生医療向けといった特定のソリューション軸でのマッチングを担当しています。

Q:Ask Oneを選定、導入に至った経緯を教えてください。
佐藤: 弊社はSalesforce、Adobe Marketo Engageを導入し、営業活動のデジタル化を推進してきました。そうした中で、単なる顧客情報の収集にとどまらず、イベントなどを通じて「お客様の声(アンケート)」を収集・活用したいというニーズが高まりました。Salesforceとの柔軟な連携性に加え、セキュリティ面やサポート体制を評価し、CREATIVE SURVEY※を導入していました。
※CREATIVE SURVEY:ブランドに沿ったデザインで多様なフォームやアンケートを作成し、リアルタイムで集計・分析できるナインアウト社が提供するAIインターフェース。
その後、セミナーやWebフォームなどの領域ではデジタル化が進みましたが、展示会の運用については、依然として紙による運用が残っていました。
展示会終了後には、大量のアンケート用紙や名刺情報を手作業でデータ化する必要があり、入力ミスや工数の増大、システムへの反映に時間がかかるといった課題を解消できていませんでした。
Q:最終的にAsk Oneを選定した理由を教えてください。
佐藤:きっかけは、外部のイベントで「Ask Oneであれば名刺情報のデータ化とAdobe Marketo Engage連携が容易に行える」という話を聞いたことでした。
紙の運用で発生していた手作業によるタイムラグを解消し、展示会で獲得した情報をよりリアルタイムかつ効率的にAdobe Marketo Engageへ取り込みたいと考え、検討を開始しました。
選定の決め手は主に2点あり、1つ目は、「Adobe Marketo Engageとのリアルタイム連携」です。手作業を介さず、展示会で獲得した情報をその場でシステムへ格納できるため、課題であったデータ化の工数削減と即時活用が可能になると判断しました。
2つ目は、「名刺情報とヒアリング内容をセットで管理・活用できる点」です。 Ask Oneであれば、名刺の属性情報とアンケートの回答内容をその場で紐づけてデジタル化することができます。その結果、単なる顧客情報の収集にとどまらず、お客様の興味関心に合わせた分析や、インサイドセールスによる的確なフォローアップが可能になる点が、導入の大きな後押しとなりました。

名刺情報のデータ化にかかっていた時間が「50時間→0時間」に短縮。
Q:展示会ではどのようにAsk Oneをご活用いただいていますか?
中野: 展示会では、従来の紙のヒアリングシートを廃止し、Ask Oneのフォームをタブレットやスマートフォンで表示し、お客様に直接入力いただく運用へ移行しました。
具体的なフローとしては、まずお客様の名刺をAsk Oneで撮影し、OCR(文字認識)を活用して会社名や氏名などの基本情報をフォームに自動入力します。
お客様は入力内容を確認し、残りの設問に回答するだけで済むため、入力負荷を最小限に抑えられています。
展示会で収集した回答データは、名刺情報などの個人情報をAdobe Marketo Engageへ、ヒアリングの回答内容はSalesforceへ連携しています。
最終的には、Ask OneおよびAdobe Marketo Engage上の情報を統合し、Salesforceに登録する仕組みです。
これら別々の経路で連携された情報は、システム上で自動的に紐付け・統合されるため、データの正確性を担保しつつ、情報の鮮度を落とすことなく、対応部署への迅速かつ適切な振り分けを可能にしています。
また、デジタルならではの利点として、設問を「即時修正」できる点も大きな特徴です。
会期中であっても、その場で設問を修正・反映できるため、PDCAを回しながら回答率の向上を図る運用を実現しています。
本名: Ask Oneのフォーム機能を活用し、設問の設計(聞き方)にも工夫を加えています。
単なるアンケート収集にとどまらず、当社のソリューションで解決可能な課題を提示し、関心のあるポイントの選択や、現状の業務環境について回答いただく構成としました。
これにより、展示会の時点でお客様の関心領域や課題感を把握できるようになりました。
展示会で取得した情報をもとに、サンクスメールの即時送信を行うほか、Salesforceに連携された回答内容は、まずインサイドセールスが事前に確認し、必要に応じて営業部や関連の事業部が参照できる形で活用しています。
その結果、初回商談前に必要な情報を把握した状態で対応できるようになり、初回商談から論点を絞った提案が可能となりました。商談の効率化にもつながっています。
Q:Ask One導入によって、どのような効果が得られましたか?
中野: 定量的な成果は非常に大きかったです。 リードデータをシステムに取り込むまでの期間は、「30日」から「0日」へと短縮され、展示会会期中に完了するようになりました。
以前は、主催者からの来場者データ提供待ちや、紙のアンケートと名刺情報の突合作業などにより、顧客情報を活用できるまでに大きなタイムラグが発生していました。
現在はAsk Oneによって即時にデータ化されるため、その日のうちにマーケティングや営業活動へ活用できています。
さらに、データ化作業にかかる工数も大幅に削減されています。例えば1,500件のアンケートをデータ化する場合、従来は紙と名刺の突合作業などで最大50時間を要していましたが、即時データ連携により、現在は作業時間が「ほぼ0時間」まで短縮されました。紙の持ち込みや現場修正の手間もなくなり、その場で即時修正が可能になった点も大きな効果です。
佐藤:以前は情報が届く頃には時間が経過してしまっていましたが、現在はリアルタイムで情報が連携されるようになり、お客様の温度感が高いうちにアプローチできる体制が整いました。
また、展示会施策に対する社内の評価が大きく変わった点も印象的です。
従来は可視化が難しかった「リード獲得から商談化まで」のプロセスが明確になったことで、自分たちの活動がどのように事業へ貢献しているのか、その流れを明確に把握できるようになりました。
「集めた名刺情報がきちんと商談につながっている」という確かな手応えを得られたことで、チーム全体が前向きかつ主体的に展示会施策へ取り組む風土が醸成されています。

AI連携やROI可視化も視野に。さらなる顧客体験向上とデータ活用を目指す。
Q:Ask Oneをご活用いただいた感想をお伺いさせてください。
佐藤:現場への受け入れは非常にスムーズでした。当初は新しいツールに対する抵抗感も想定していましたが、導入後に大きな課題はほとんどありませんでした。
営業現場からは、情報共有が早くなったことで「とても助かっている」「ありがとう」といった声が多く上がっています。
本名:現場の心理的な変化も大きいです。スマートなデジタル入力に切り替えたことで、お客様にもスムーズにご協力いただけるようになり、営業担当者もより自信を持ってアンケートへの協力を促せるようになりました。
その結果、業務効率化にとどまらず、社内におけるデジタルツール活用への意識改革にもつながっています。
Q:今後使ってみたい機能や行ってみたい施策があれば教えてください。
佐藤:今回の導入で、展示会オペレーションの基盤は整いました。今後は、蓄積されたデータを活用して、よりお客様に寄り添った体験を提供していきたいと考えています。
たとえば、AIと連携させた自動レコメンドの仕組みの構築などAsk Oneの活用をさらに広げていきたいです。
これまでは、展示会のKPIは集客人数や名刺交換件数が中心で、厳密な投資対効果(ROI)の算出までは至っていません。しかし、Ask Oneによってデータ基盤は整いました。今後はこの環境を活かし、リードが最終的な受注にどう貢献したかを数値で可視化することで、マーケティング活動の価値を客観的に証明していきたいと考えています。
※ページ上の各種情報は2026年2月17日時点のものです。

