
課題・施策・結果
課題
- 街頭キャッチや展示会での紙アンケートは入力から集計、営業へのリスト展開までに最大1週間を要し、担当者の大きな負担に
- MAツールで施策ごとにフォームを作成していたが、改修や変更に数週間から1か月かかるため現場の要望をすぐに反映できず、施策展開が停滞
施策
- 紙アンケートをAsk Oneに全面移行し、営業担当者をフォームに紐づけることで、取得した顧客情報が自動的に整理される運用を実現
- 施策ごとのフォーム作成をAsk Oneに統一し、現場の要望や改修をを即日単位でフォームに反映できる体制を構築
結果
- 顧客情報取得件数は紙アンケート利用時の2倍以上に増え、リスト展開にかかっていた時間もゼロになったことで、営業からの即時追客が可能に
- 施策のPDCAサイクルのスピードが大幅に向上し、新しい施策を迅速に試せるようになった
エスリード株式会社は、マンション分譲事業を中心に展開する総合不動産デベロッパーです。同社では、従来の営業手法では規制や物件の制約により顧客獲得が難しくなってきたことから、新規チャネルの開拓に注力していました。その取り組みを支える、迅速かつ柔軟に活用できるフォームとしてAsk Oneを導入いただきました。現在では展示会や学会でのリード獲得、営業オペレーションの効率化など幅広くご利用いただいております。導入に至った経緯や具体的な活用方法について、営業部 営業戦略室の太田様、早川様にお伺いしました。

※以下敬称略
あらゆる施策において、迅速かつ柔軟に活用できるフォームとしてAsk Oneを導入
Q:貴社の事業内容、担当部署、ご担当業務について教えてください。
太田:当社は、総合不動産デベロッパーとして、投資用ワンルームマンションおよびファミリー向け分譲マンションの販売を行っております。私の所属する営業部 営業戦略室では、「新規顧客獲得の支援」「営業組織の戦力強化」「営業の業務改善・工数削減」の3点を主なミッションとしています。
営業戦略室はいわゆるマーケティング機能を担っており、その中でも特に力を入れているのが新規顧客獲得の支援です。具体的には、インターネット広告やデジタルマーケティングといったオンライン施策に加え、飛び込み営業やテレアポ、ポスティング、展示会などオフライン施策にも幅広く取り組んでいます。
オフライン施策から大きな成果が生まれる場面も多く、営業戦略室としては、その効果をより高めていくことが重要なテーマとなっています。
Q:Ask Oneの選定や導入に至った経緯を教えてください。
太田:当社では、オンライン・オフラインを問わず、毎月多岐にわたる集客施策を実施しています。これらの施策に対応するため、従来は集客施策ごとにAdobe Marketo EngageやAccount EngagementなどのMAツールを活用して、フォームを作成・運用していました。
施策が毎月変化する中でフォーム作成の頻度は高く、内容によっては毎月作り替える必要がありました。しかしその対応には数週間、長い場合は1か月近くかかることもあり、限られた営業戦略室の人員だけで全ての施策に対応するのは工数面で大きな課題となっていました。
また、当社の営業は歩合制であるため、集客施策において「誰がどのお客様を取得したのか」を明確に管理し、公平に成果を分配する必要があります。しかし、MAツールでの運用ではデータを一括で取得した後、担当者ごとに精査して返却する作業が必ず発生し、この工程が非常に煩雑で大きな負担となっていました。
こうした背景から、もっとスムーズにフォームを作成・運用できるツールを探していたところ、Ask Oneと出会い、導入に至りました。当社の基幹システムであるSalesforceとスムーズに連携できる点も、導入の大きな決め手となりました。
街頭キャッチや展示会など多様なチャネルでの顧客情報収集をAsk Oneで統一
Q:現在行なっているAsk Oneの施策内容や目的について教えてください。
太田:現在は、Ask Oneを新規顧客獲得と業務効率化の双方の目的で活用しています。
新規顧客獲得の取り組みとしては、街頭でのキャッチセールスや展示会に加え、チラシのポスティング、Web集客など、オフライン・オンラインを問わず幅広いチャネルで顧客情報の収集や申込受付の仕組みとして利用しています。
具体的に言うと、キャッチセールスや展示会では従来紙のアンケートで個人情報を回収し、社内に持ち帰って入力・精査していたため、営業活動に移るまでに大きなタイムラグがありました。しかしAsk One導入後はその場でフォームへ入力・回答結果の確認ができるため、営業が即座に追客へ移ることができるようになりました。
ポスティングでは、チラシにQRコードを掲載し、地域ごとに分けてAsk Oneで作成した申込フォームへ誘導しています。これにより地域別のアクセス率や申込率を可視化し、地域単位で効果測定と改善が可能になりました。Web集客では、広告の遷移先フォームのほか、ユーザーの興味関心を可視化する診断型コンテンツにも利用しています。
一方で業務効率化については、営業が社内で行う申請や報告をAsk Oneのフォームで受け付けています。以前は紙やExcelで対応していたため手間がかかっていましたが、Ask One導入後は営業がスマホから簡単に申請できるようになり、負担が軽減されました。管理側もデータの集計や確認がスムーズになり、営業現場と管理部門の双方で効率化が進んでいます。

Q:上記の施策の実施フローなど具体的な運用の流れについて教えてください。(回答対象者の条件や設問内容、配布方法、実施頻度など)
太田:実際の運用は非常にシンプルです。街頭でのキャッチセールスでは通行中のお客様、展示会では個人投資家を対象に施策を実施しています。営業担当が使うタブレットのホーム画面にはAsk Oneのアンケートフォームのショートカットを置いており、お客様にすぐに入力いただける仕組みです。設問内容は氏名や連絡先に加え、営業担当自身が成果につなげるための独自の質問を用意しています。紙でのアンケートに比べると印象もよく、営業現場からも「使いやすい」と好評です。
フォーム上では担当営業を選択できる仕組みを用意しているため、誰が獲得したお客様かきちんと把握できます。さらに営業ごとにパラメータを付与しているので、展示会やキャッチセールスなどで取得した顧客情報が、そのまま各営業担当のスプレッドシートに反映されます。営業は自分のリストをリアルタイムに確認でき、その場から即座にテレアポへ移行できる仕組みです。
一方でポスティングでは、チラシごとにQRコードを付与し、デザインや訴求別にパラメータを管理しています。どのチラシから反響があったかを把握できるため、A/Bテストも簡単に回せるようになりました。さらに、月に1回以上は新しいイベントやチラシを展開しているため、それに合わせてフォームを更新することで、スピード感をもって実際の集客へつなげています。
Web集客については、以前はMAツールでフォームを作成していましたが、現在はAsk Oneに一本化しています。今後も新しいイベントやチャネルにあわせて柔軟に展開し、スピード感のある営業活動を支えていきたいと思います。
Q:上記のフォームで回収した回答データの活用について教えてください。
太田:前提として当社は、もともと展示会や街頭でのキャッチといったオフライン施策に強みを持つ会社であるため、成果はどうしても営業個人の裁量や工夫に依存する面が大きかったです。
そこでAsk Oneの回答データを通じて、誰がどれくらい顧客情報を獲得しているかを可視化し、営業戦略室側で把握するようにしました。例えば「今月は◯◯さんが展示会で何件獲得した」「キャッチセールスで一番顧客情報を獲得しているのは◯◯さんだ」といった具合です。
ただ、不動産業界は歩合制ということもあり、営業同士はライバル関係にあります。自分の成功パターンや工夫をオープンにしたくないという空気感があるため、私たちはそこを無理に崩すのではなく、現場から自然に出てくる声を尊重するようにしています。
実際に営業から「この設問にした方が離脱が減ると思う」「こういうアンケートを作ってみたい」といった提案があれば、Ask Oneならすぐにフォームに反映可能です。こうした個々の工夫を尊重しながらスピーディにサポートし、成果として可視化することで、本人のモチベーションにもつながり、結果的にチーム全体の底上げにもつながっています。
顧客情報獲得数は紙アンケート利用時の2倍以上に増え、営業が即座に追客できるように
Q:弊社ツールの活用を通して改善した点や効果が現れた点を教えてください。
太田:まず数字で見える効果としては、顧客情報の取得件数が紙アンケート時代に比べて少なくとも2倍以上になっています。もともとは街頭キャッチや展示会で紙のアンケートを使っていたのですが、偽名や架空の連絡先が書かれて追客できないケースも多くありました。Ask Oneを導入してタブレットからのフォーム入力が当たり前になってからは、そのようなケースが明らかに減り、正確な情報を確実に獲得できるようになりました。
一方で、定性的に一番強く実感しているのはPDCAのスピードが上がったことです。
ファミリーマンション分譲事業では、以前はフォームを作るだけで時間がかかり、複数のキャンペーンを試す余裕がありませんでした。今では「この質問を入れられるなら、この施策もやってみよう」と自然に発想が広がり、結果を見ながらすぐ改善できるようになっています。新たな施策への挑戦も増え、改善のサイクルがどんどん早まっているところです。
さらに、Ask Oneの導入をきっかけに部署間の関係性にも変化がありました。
もともと営業戦略室と営業の間には距離感がありましたが、フォームという共通の話題から営業からの相談が大幅に増え、自然と会話が生まれるようになったのです。最近ではフォーム以外のことでも「一緒に考えましょう」という二人三脚の動きができています。
これは本当に、Ask One導入による一番の副次効果かもしれません。

Q:Ask Oneを実際にご活用いただいた感想をお伺いさせてください。
太田:我々の部署では、新しい施策を考える際にまず「Ask Oneでできないか?」と真っ先に思い浮かぶほど、機能面や使い勝手に優れ、他には替えがきかない存在となっています。フォーム作成の機能バリエーションは非常に豊富で、まだ使い切れてない機能に驚かされることも少なくありません。
単なるフォームにとどまらず、発想次第で多様な施策に活用できる余白があるのもAsk Oneの面白さです。加えて、カスタマーサポートも心強く、フォーム作成支援にとどまらず、事業全体を成功に導く視点で伴走いただける点に信頼を寄せています。
Q:今後使ってみたい機能や行なってみたい施策があれば教えてください。
太田:今後は、営業現場で「お客様との会話のきっかけ」として使えるアンケート施策に挑戦してみたいです。
これまでは情報収集を目的とする設問が中心でしたが、今後は「〇〇タイプ診断」や「不動産投資スタイルチェック」といったフックの効いた診断型アンケートを入り口にすることで、展示会や街頭キャッチでも自然な会話が生まれると思います。営業現場のリアルな悩みである『声掛けの第一声のハードル』を解消し、面白い集客の形につながるのではないかと感じています。
※ページ上の各種情報は2025年8月28日時点のものです。

